人間にも心地よいこと不快なことがあるように、猫にも様々な分野での好き嫌いがあります。
猫の好みを知っていることはよりストレスなく、元気に暮らしてもらうためにとっても大切です。
それと知らず不快になるようなことをしてしまうということを避けられます。
では猫はどんなことを好み嫌うのか見てみましょう。
今回は音、匂い、味、触り方の4つを取り上げたいと思います。
恐怖の感覚は人間と同じ!?
人間を含めたすべての動物は共通の恐怖を感じるようです。
一つ目に、強い刺激、つまり大きな音や声、急に自分の前に何かが現れるなどの現象です。
二つ目は社会的に学習することで感じる恐怖、第三者が恐ろしい経験をしているとき、同じように自分もそれを恐れるというものです。
三つ目は、自分が以前経験したことによって学んだ恐怖です。
ある犬とケンカした猫が、それ以降その犬を恐れるようになる、あるものを食べて病気になったのでそれをもう食べなくなるといったことです。
四つ目に、新しい環境による刺激、家が変わる、飼い主がかわるといった変化です。
こうした恐怖を自分だけでなく飼っている猫も同じように感じるということを覚えておくなら、猫に接する際にもきっと役立つでしょう。
好きな音と嫌いな音
音程の法則というものをご存じですか?
アメリカの博物学者ユージン・モートンが明らかにしたもので、どの動物にも共通して当てはまる原則、「低い声を出す時は、不快、恐れ、怒りなどのネガティブな感情を表し、高い声を出す時は、興奮や喜びなどのポジティブな感情を表す」というものです。
それで猫の好みをこの法則に照らして考えてみると、猫が男性の声をあまり好まないのは、低い声が捕食動物を連想させ恐怖心が掻き立てられるからかもしれません。
反対に女性や子供など高い声を好むのは本能的に自分に害を与える存在ではないということを感じ取るからなのかもしれません。
猫が「低くて大きな音」を嫌い、「高くて小さな音」を好むということが分かったところで、これをどのように毎日の生活に組み込んで猫と上手にコミュニケーションをとることができるでしょうか?
一番良い方法は、大人が言葉の分からない赤ちゃんに話しかけるのと同じ方法で猫に話すことです!
具体的には、「かわいい!」など短い言葉を高めのピッチでいう。
「いい子いい子」など言葉を繰り返す。「眠いの?」など短い質問をする。
「楽しいねぇ、ねむいねぇ」など単純な文章を使う。「ねんねしなさい」といった命令。
このような方法で猫に日常的に話しかけるなら、緊張がほぐれ、安心して生活することができるでしょう。
好きな匂いと嫌いな匂い
猫は犬ほどではないにしても敏感に匂いをかぎわけます。
一般的に以下のような匂いが嫌いといわれています。
- 桂皮アルデヒト(シナモンの香りの主成分)
- チクロ(人工甘味料の一つ)
- カゼイン(乳製品に含まれるリンタンパクの一種)
- カプリル酸(ココナッツや母乳に含まれる)
- 中鎖トリグリセリド(香料や化粧品にもちいる)
- メチルノニルケトン(石鹸、フローラル系調合香料などに用いられる)
- サッカリン(人工甘味料の一つ)
香水や石鹸などの成分表などをみて猫の嫌う匂い成分が入っていないか確認することもできるかもしれないですね。
好きな匂いとして良くあげられる植物は、マタタビ、キャットニップ、ミツガシワ、カノコソウ、キャットタイム、低木スイカズラです。
ただ好きだからといって大量に与えたり、長期にわたって使用すると害になる場合もあるので注意が必要です。
またアロマオイルやエッセンシャルオイルなど、自分の好きな匂いでも猫は中毒を起こす場合があるので十分気を付けてください。
後半の記事はこちら⇒知って損なし!猫の幸福感と不快感(後編)
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